こんにちは。
ラッセルベッドフォードの澤柳です。
多くの会社ではより激しいライバル会社との競争が行われているように思います。
実際に、「競合と比べて当社はどうでしょうか」というような質問を社長からよくいただきます。
業界平均であったり他社比較というのは一つの目安になりますが、それを知ったからといってその水準を自社もベンチマークするというのは必ずしも正解ではありません。
それよりも会社経営で重要なのは、「自社の収益構造がどうなっているか」を理解することです。
つまり、外部から持ってきた数値ではなく、自社内部で作成する経営指標が重要なのです。今回は、その中でも特にみなさんに覚えて頂きたい指標である「損益分岐点比率」についてご紹介します。
経営指標の多くは、業種・業界によって基準値が変わり、また会社の規模によっても変わってきますので、扱いづらさがあります。
例えば、粗利率や売上高経常利益率がよく使用されている指標でしょう。
製造業では材料費、労務費、製造間接費など様々な売上原価がありますので粗利率は大体50%あたりですが、会計事務所などでは人が中心となるビジネスですから粗利率はほぼ100%です。
しかしこの損益分岐点比率は、業種・業界に関わらず、目指すべき目標を各社で設定することができるという点で非常に有効です。
京セラの稲森和夫さんは売上高経常利益率を10%になるように目指しなさいと言っています。
私もよくお客様からうちの目指すべき利益率はいくらですか、と聞かれれますが、売上高経常利益率ではなく損益分岐点比率で答えています。
それは、目指すべき売上高経常利益率も、粗利率と同様に業種や業界によって全く異なるからです。
例えば、粗利率がそもそも10%しかない業界では、売上高経常利益率10%は無理です。
すなわち、業界の粗利益率によって目指すべき売上高経常利益率も違うということです。
しかし、粗利率が50%で売上高経常利益率が10%になるような固定費のバランス、つまりそのような損益分岐点比率をベンチマークするということは、製造業以外の業種でも十分に可能です。
むしろ、この解釈の方が稲盛さんの考えに近い気もします。
損益分岐点比率は、「固定費÷粗利益額」で計算をします。
損益分岐点は多くの方がご存知だと思いますが利益も損失もない状態のポイントで、損益分岐点売上といえば、収支がトントンになる時の売上高を指します。
一方この損益分岐点比率とは、収支がトントンになる「粗利益額」を示します。
つまり、「固定費=粗利益額」となるポイントです。
粗利率は、粗利÷売上高です。
売上高計上利益率を、(粗利―固定費)÷売上高と考えます。
粗利率が50%で売上高経常利益率が10%の場合、損益分岐点比率は80%となります。
数字が苦手な方は、下の図を見て頂くとより理解しやすいか思います。
| 売上 | 変動費 |
| 100 | 50 |
| 粗利 | 固定費 |
| 50 | 40 |
| 利益 | |
| 10 |
再度確認ですが、損益分岐点比率は粗利と固定費のバランスを表すものですので、粗利が50で固定費が40であれば、損益分岐点比率は80%です。
こうすることで、各社バラバラな粗利率とこのベンチマークとなる損益分岐点比率80%を組み合わせることにより、各社の理想的な売上高経常利益率を算出することができます。
例えば、粗利率が我々会計事務所のように100%であれば、売上高経常利益率は
100% x(100%ー80%)=20%です。
もし粗利率が30%の会社であれば、売上高
経常利益率は、30% x (100%―80%)=6%です。
稲盛さんは「売上高経常利益率が10%無いと社長失格」とおっしゃっていますが、この数値は一般的に見ても高い基準値になっています。
なので、私が個人的にお勧めしているベンチマークすべき損益分岐点比率は「90%」です。
まずは損益分岐点比率90%を目指し、最終的に80%を目指すように固定費のバランスを取ってみましょう。
このバランスを取る中で、本当に固定費の削減だけで損益分岐点比率を改善できるかを判断し、固定費の削減だけでは厳しい場合は早急に粗利の改善に移行しましょう。
粗利は売上単価、変動費単価、もしくは販売数量によって決まります。
実は、この3つのどれも簡単に改善できるものではありませんが、固定費を回収できていない今の状況を改善する上では、固定費削減よりも重要かつ緊急に手をつけるべき課題のはずです。
さて、9月にもSST及び印紙税に関する最新動向のウェビナーを開催致しましたが、印紙税について多数のお問合せを頂いているため、2026年最初のウェビナー『マレーシア印紙税の理解を深める』を1月22日(木)に14時00分~15時00分に開催することが確定しました。
ご興味がある方は是非以下フォームよりお申込み下さい。
今回は以上となります。
今週も一緒に頑張っていきましょう!