こんにちは。
ラッセルベッドフォードの澤柳です。
ポケモンカードをはじめとするトレーディングカードゲーム(TCG)の市場が、マレーシア国内でも急速に拡大しています。
1枚数百リンギットから数千リンギットにのぼるカードが日常的に売買される中、「カードの転売で得た利益は税金がかかるのか」という疑問を持つ方も増えています。
結論から言えば、転売益が課税対象となるかどうかは、その活動が「趣味」か「事業」かによって決まります。
マレーシアには個人資産の売却益に対する一般的なキャピタルゲイン税は存在しないため、課税の分岐点は所得税法(ITA 1967)第4条(a)が定める「事業所得」に該当するか否かという一点に絞られます。
マレーシア所得税法第4条は、課税対象となる所得の種類を定めています。
そのうち第4条(a)は「事業から生ずる利益または所得」を課税所得として列挙しており、個人であっても法人であっても、事業的な性質を持つ活動から生じた利益はここに含まれます。
重要なのは、「事業」に該当するかどうかは登録の有無や規模ではなく、活動の実態によって判断されるという点です。
仮に確定申告をしていなくても、実態が事業的であれば税務当局はそれを事業所得とみなして課税する権限を持っています。
マレーシアの税務実務では、ある活動が「事業」に当たるかどうかを判断するため、英国コモンロー由来の「Badges of Trade(取引の特徴)」という概念が用いられています。
以下の各要素を総合的に評価して、事業性の有無が判断されます。
• 取引の頻度・量:売買が一度限りの偶発的なものか、継続的・反復的なものか
• 利益目的の有無:カードを純粋に楽しむために収集しているのか、転売益を目的として取得しているのか
• 資金調達の方法:自己資金か、借入や他の売却益を元手にした再投資か
• 保有期間:長期保有後の売却か、短期での転売か
• 組織性・システム性:プラットフォームの継続利用、在庫管理、売買のパターン化等があるか
これらの要素のうち複数が「事業的」と評価される場合、税務当局はその活動全体を事業とみなし、転売益を事業所得として課税する可能性があります。
よくある誤解として、「少額の利益であれば課税されない」という考え方があります。しかしマレーシアの所得税法上、課税の基準となるのは利益の金額ではなく、活動の性質です。
活動が事業的と判断されれば、たとえ利益が数百リンギットであっても課税対象となり得ます。逆に、多額の利益が生じた場合でも、純粋な個人コレクションの偶発的な売却であれば、原則として課税対象にはなりません。
転売益が事業所得と判断された場合、以下の対応が求められます。
• 事業所得として申告が必要
• 売買記録(購入日・取得価格・売却日・売却価格)の保存義務(原則7年間)
• 経費(送料・プラットフォーム手数料・グレーディング費用等)は所得から控除できる可能性がある
• 申告漏れはペナルティの対象となる
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今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今週も一緒に頑張っていきましょう。
