売上半減でも潰れない会社を作りましょう

Posted on 29/05/2025

 こんにちは。

ラッセルベッドフォードの澤柳です。

私が会計士という仕事を選んだ理由は実は財務が理解できていなかったために自ら立ち上げた事業で失敗したからでした。会計が好きだとか、会計士に憧れていたというポジティブな理由では全くありませんでした。

これは学生時代の話で今では笑って話せますが当時はその失敗したことのトラウマが大きく会計をとにかく理解したいという一心で会計士の勉強を始めたことをよく覚えています。

しかし、会計士になって初めてわかりましたが経営者にとって必要な会計は非常にシンプルで少しの努力で身に付けることができます。

逆に会計士や税理士であっても大量の枝葉の情報に惑わされることで本当に経営に必要な情報が何なのかを理解できていない人もいます。もし会計や財務に苦手意識がある経営者の方は諦めずに私のニュースレターを読み続けてください。

必ず会計のコツがわかるようになります。

今日は、「まさか」の事態にも会社が耐えれるよう「売上が半減しても潰れない会社の作り方」についてお話しようと思います。

売上半減でも潰れない会社とはどんな会社なのかみなさんはイメージできるでしょうか?

以前のメールでも何度かお話しましたが売上が倍増して会社は潰れることはありますし、利益が出ていても黒字倒産する可能性はあります。つまり、今期の売上が半減したからといってその売上や利益が会社を潰すのではありません。

ここで注目すべきはPLではなくBSです。

つまり財務体質が強ければ会社は潰れません。

BSを見る上で重要なことは「バランス」です。BSはバランスシートと呼ばれているようにそもそもバランスを見るためのものです。

本題に入る前にまずBSの基礎知識ですが

BSの右側には負債と純資産(=資本)が記載され

BSの左側には資産が記載されています。

資本とは「どこから事業資金を調達したのか」、資産とは「その資金をどのように使ったのか」をそれぞれ意味しています。

だから常に左右バランスしているわけです。

それでは次に、どのようなバランスが取れてれば、強い財務体質を意味するのかについて説明します。

まず最初のステップとして、会社が最低限目指すべきBSのバランスは以下の2つです。

自己資本比率(*) :30%以上

借入金:総資本の30%以下

(*) 自己資本比率とは総資本(負債+純資産)のうちどれだけ自己資本(=純資産)が割合を締めているかを表す指標です。

 無借金で現預金が多ければ多いほど良いですが現実問題として多くの中小企業では借金をしなければ経営が回りません。

なので最初のゴールとして

自己資本比率を30%以上にあげることと

借入金を総資本の30%以下に抑えること

ができれば優良企業です。

自己資本比率が30%以上というのは、銀行がお金を貸しやすい会社を意味します。たとえ会社の資産価値が30%減っても貸したお金を回収できると考えられるからです。

逆に言えば、会社側も売上半減などの影響で、たとえ総資産の30%を失ったとしても借金が返せなくて倒産することはありません。

また、借入金が総資本の30%以下というのは、自己資本(純資産)と同額かそれ以下に借入金を抑えることを意味します。借入金が純資産より低くなると会社の利益と実際のお金の流れが近づきます。

逆に借入金が多い場合は利益を出しても、そこで生まれたお金が借入金の返済にあてられキャッシュフローが不安定になってしまいます。

そして次に目指すべきBSのバランスは

現預金:総資産の30%以上

です。

仮に、自己資本比率が30%で借入金が総資本の30%を占めている場合、残りの資本40%は買掛金などの信用負債です。会社がこのような状況であれば現預金が総資産の30%あることが必要です。

もし銀行などから借入金の返済要求が来ても、この現預金で十分やりくりができます。借入金と同額の現預金を持つということは実質無借金経営になることも意味します。さらに買掛金総額に近い金額の現預金があれば仕入先にとっても安心して取引が行えます。

これらを達成することができれば

次に目指すべきは

自己資本比率:60%以上

現預金:総資産の60%以上

です。

自己資本比率が60%ということは資産の60%を自己資本でまかなえている状況にあることを意味します。つまり、他人へ引き渡す必要のない自由に使える資産が全体の半分以上を占めているわけです。

また、以前のメールでも説明しましたが銀行の融資格付けにおいても、自己資本比率の基準で60%以上が満点として設定されています。

つまり、滅多なことがない限りはこの水準にある会社は倒産しません。

また、現預金はあればあるだけ良いですが、総資産の60%以上の現預金を持っていれば資本の40%(*)を占める他人資本(負債)を大きく上回ることができ理想的な無借金経営となります。

 (*)自己資本が60%なので他人資本は40%です。

財務体質を強くするということは借入金を減らしながら現預金を増やしていき、現預金が借入金を上回る状態に保ったうえでこの差額を毎年増やしていくことです。

しかし、売上や利益も軽視してはいけません。

利益とは会社存続のための維持費です。売上半減でも潰れない会社とは売上半減を良しとする会社ではないのです。

コツコツと利益を出して現預金を増やしている会社だけが財務体質を強くすることができ、売上半減という「まさか」の状況でもうまく生き残ることができます。

さて、先月が2回目だったBSセミナーの第3弾完結編を6月18日(水)14:30~16:30に弊社オフィスにて対面式で開催することが確定しました(先着20名様限定)。今回は『第3回:PLとBSの関係を学ぶ(応用編)』です。

ご興味がある方は是非以下フォームよりお申込み下さい。 

本日は以上です。 

今週も一緒に頑張っていきましょう! 

en_US