鬼手仏心の財務

Posted on 28/05/2025

こんにちは。 

ラッセルベッドフォードの澤柳です。 

本日は、重要な経営者の仕事の一つである「財務」についてお話をさせて頂きます。 

どんなに儲かっている会社でも資金がなければ会社は潰れてしまいます。巷では「黒字倒産」などとも呼ばれます。儲け方はうまいのに会社のBSの自己資本比率が低く借金過多で現預金が少ないといったことを悩んでいる会社は多くあります。 

前回のメールでも書きましたがBSや財務体質の改善は経営者の責任であり経営者が取り組まなければならない仕事です。財務体質が強い会社は現在のような不安定な外部環境の変化にも負けることはありません。しかし、財務体質の改善は一朝一夕にできるものでもありません。 

当社が顧問をしているお客様に直近の対策としてお伝えしているのは、 

「①借りられるだけお金を借りて資金を確保しできるだけ長い据置期間と返済期間を設定する。②経費や資産の見直しをして会社をスリム化する。③新しい商品、サービス、市場、得意先を開発することにより売上の拡大をする。」 

この3つです。 

もちろん、マレーシア法人に営業部門や商品開発部門などの機能がない会社では得意先や新しい商品の開発等はできませんがほかの2つは必ずできるはずです。 

そしてここで重要なことは財務の「バランス」です。 

みなさまも十分ご存じだと思いますが会社の資金は無限ではありません。全ての会社、万国共通の制約です。だからこそ経営者はその制約の中で資金をどこから捻出するか、資金をどこに割り振るかといったバランスを取ることを常に求められます。 

私はこれを「鬼手仏心で行う財務」と呼んでいます。 

鬼手仏心とは、仏様のような慈悲の心を持ちながらもメスを持つ鬼のような手で患者さんを治療しようとするお医者さんの姿勢を表した言葉です。 

どんなに患者さんのことを治したいと思ってもメスという刃物をつかって患者さんの体を切ることが必要になります。患者さんの体を傷つけているように見えますが治療のためには仕方のないことです。 

 会社経営でも同じように 

「従業員を守りたい」 

「お客様に貢献したい」 

「地域に貢献したい」 

といった仏心があります。 

その一方で会社経営には常に資金という制約が存在しその資金管理や財務体質の改善といった痛みを伴う鬼手が必要です。 

 仏心だけあっても会社は潰れてしまいます。 

鬼手だけあっても会社は潰れてしまいます。 

鬼手仏心の両方をあわせ持つことで会社の財務をより強くすることができます。 

 ここで話をもとに戻すと上記3つの対策に関して言えば、会社のフリーキャッシュフローと月々の返済額、支払利息と税引前利益、削減すべき経費とすべきでない経費、資産のオンバランスとオフバランス、新規商品と会社のキャパシティ・・・といったバランスをとる必要があります。 

例えばお金を借りることで当面の事業資金を確保できますが会社が獲得するキャッシュフローをお客様や従業員ではなくお金の貸主へ還元することになりますよね。 

それでは、どの程度お金を借りることがバランスの取れている状態なのでしょうか。 

 経費の削減を行うことで資金を確保できますが、その経費削減は中長期的にみてお客様や従業員のためになるものでしょうか。会社の財務体質を筋肉質にしているのか、それともガリガリな不健康な状態にしているのか。 

今回のお話は少し難しく感じるかもしれませんが、是非一度じっくりと考えて頂ければ嬉しいです。 

私が講師を務めるオンラインセミナーも明後日、4月23日(水)に迫って参りました。 

BSの基礎についてお話をさせて頂きます。お申込みがまだの方は是非ご登録下さい。 

今週も一緒に頑張っていきましょう!

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